■2005年2月に三分冊、全三千頁超、外箱を含む重量八・五キロ、本体価格4万5千円というライフワーク『聚珍録』(三省堂)を刊行した府川充男氏(『音楽全書』『同時代音楽』編集、印刷史研究会、築地電子活版代表取締役)の関連新著。判形や誌面の感触から『組版原論』(太田出版)の系譜に連なる本といってよいのではないか。
■内容は「近代日本活字史の基礎智識」「幕末─大正の新聞紙面と組版意匠の変遷」「築地体の覆刻と飜刻」「一〇〇年前の『印刷雑誌』」など。図版が豊富なので眺めていて飽きない。なお、表紙と扉に使用されている植物図譜(写真)は、府川氏の住むマンションの庭の植物をスキャナーで読み取って画像処理したものだときいているが、極めて美麗。