はじめて上京したとき、私にとっての東京の入口は上野でした。この丘は、博物館・美術館だらけなので、これが東京なのかと誤解してしまいそうなほどです。よく考えると不自然なほどの集積です。
「博物館概論」の講義で先生が参考図書として紹介された本書を読んで、その由来だけでなく、今ではいかにも純粋な文化の殿堂になっている博物館の設立に、個人の強い意志や政治的な駆け引きの歴史があったことを知りました。けっこう生々しくて楽しめました。
戊辰戦争で旧幕臣等の彰義隊と大村益次郎の新政府軍が戦った地だと思うと、木々に囲まれてたたずむこれらの建物群は墓標のようにも思えます。次に上野を訪れるときには、東京国立博物館の裏庭にあるという町田久成の顕彰碑等、歴史の痕跡を確かめようと思います。