私がこの本を読んだのは確か大学1年の頃だったろうか。
図書館でレポートの為の参考書を探していたときにたまたま手にとったのがこの本だった。
「博士号は足の裏についた米粒みたいなものだ。取らないと気になるが、取っても食えるわけではない」
日本の理系分野の場合(外国でもそうだが)アカデミックな職に就きたいのであれば博士号の取得は欠かせない条件である。
しかしながら民間に就職する場合、博士卒は修士卒と同程度にしか扱われない事がほとんどで、それどころか年齢の分不利な扱いをされることすらある。
博士卒という専門知識を身に付けた存在でありながら、その技能を正等に評価される場がほとんど無いのである。
日本の博士卒がいかに冷遇されているかを具体的な数字を元に検証するこの本は、ポスドク1万人計画を煽った文科省への異議申し立てであり、将来を考える学生への忠告の書でもある。
なんとなく研究者になることを考えていた大学入りたての私にとって、この本はかなり衝撃で、その後自分の進路についてずいぶん悩んだ記憶がある。
私の場合結局院へ進学することを決めたのだが、バイオ系の大学生にとって進路を考える上で一度は読んでみる価値のある本だと思う。