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博士の愛した数式
 
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博士の愛した数式 [単行本]

小川 洋子
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (594件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

受賞歴

第55回(2003年) 讀賣文学賞小説賞受賞
第1回(2004年) 本屋大賞受賞

商品説明

   1990年の芥川賞受賞以来、1作ごとに確実に、その独自の世界観を築き上げてきた小川洋子。事故で記憶力を失った老数学者と、彼の世話をすることとなった母子とのふれあいを描いた本書は、そのひとつの到達点ともいえる作品である。現実との接点があいまいで、幻想的な登場人物を配す作風はそのままであるが、これまで著者の作品に潜んでいた漠然とした恐怖や不安の影は、本書には、いっさい見当たらない。あるのは、ただまっすぐなまでの、人生に対する悦びである。

   家政婦として働く「私」は、ある春の日、年老いた元大学教師の家に派遣される。彼は優秀な数学者であったが、17年前に交通事故に遭い、それ以来、80分しか記憶を維持することができなくなったという。数字にしか興味を示さない彼とのコミュニケーションは、困難をきわめるものだった。しかし「私」の10歳になる息子との出会いをきっかけに、そのぎこちない関係に変化が訪れる。彼は、息子を笑顔で抱きしめると「ルート」と名づけ、「私」たちもいつしか彼を「博士」と呼ぶようになる。

   80分間に限定された記憶、ページのあちこちに織りこまれた数式、そして江夏豊と野球カード。物語を構成するのは、ともすれば、その奇抜さばかりに目を奪われがちな要素が多い。しかし、著者の巧みな筆力は、そこから、他者へのいたわりや愛情の尊さ、すばらしさを見事に歌いあげる。博士とルートが抱き合うラストシーンにあふれるのは、人間の存在そのものにそそがれる、まばゆいばかりの祝福の光だ。3人のかけがえのない交わりは、一方で、あまりにもはかない。それだけに、博士の胸で揺れる野球カードのきらめきが、いつまでも、いつまでも心をとらえて離さない。(中島正敏)


登録情報

  • 単行本: 253ページ
  • 出版社: 新潮社 (2003/8/28)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 410401303X
  • ISBN-13: 978-4104013036
  • 発売日: 2003/8/28
  • 商品パッケージの寸法: 19.3 x 13.5 x 2.3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (594件のカスタマーレビュー)
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カスタマーレビュー

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71 人中、57人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 硬質な文体で描く温かな傑作 2003/9/15
形式:単行本
記憶が80分しか持たない博士とそこに勤める家政婦とその息子。
たった3人の関係や博士の家という閉じられた空間であるはずの設定も、お互いの思いやりを描くことによって、数字のような無限に広がる可能性を持つものに描かれている。
数字以外には興味の無いはずの博士は子どもには無償の愛を注ぐ。それは子どもには数字と同じく無限の可能性が秘められているからに違いない。
小川洋子の作品は一見無機質に見えるけれども、読後にはいつもぬくもりが残る。今回は特に素晴らしい傑作だと感じた。絶対にオススメ!
このレビューは参考になりましたか?
73 人中、57人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 静かで暖かい小説 2004/12/21
By izu-k
形式:単行本
とても静かで、哀しくて、暖かい本でした。
80分しか記憶の持たない「博士」と、そこに家政婦として通うことになった私、ルートと呼ばれる阪神ファンの私の息子の三人の日々が描かれています。
小説内にいくつもの数式や、証明といったものがでてきますが、数学のことをほとんど覚えていない私でもそれが全く邪魔にならず、むしろ美しいものとして感じられました。
読みすすめていくうちに、どんどんと、どこかとても居心地のいい場所に閉じ込められていくような、澄んだ水を覗き込むような気持ちにさせられていきました。
それは、文体や、描写からにじみでるこの小説の雰囲気といったもので、
そしてそれを何よりも表しているのが、80分しか記憶の持たない、ひどく優しい博士の存在でした。
子供をとても大切にしている、
素晴らしい質問をしたと思わせる才能を持った博士。
読み終えた時に、ゆっくりと暖かい気持ちになれる、少し前向きな気持ちで明日からやっていこうと思う、それが小説のもつ絶対の力であると私は思っていますが、この本にはそれがあふれていました。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 記憶にまつわる物語 2005/1/3
By カスタマー
形式:単行本
この小説は記憶にまつわる物語だ。
記憶は執着することでうまれる。
執着には、誰かや何かを大切に思ったりする良いものと、憎んだりうらんだりする悪いものとがある。
そして良い執着からうまれる記憶をとくに、思い出と呼ぶのだと思う。
心ゆたかな人ほどたくさんの思い出を持ち、博士はたくさんの思い出を持つべき人として描かれる。
数学を愛し、子供を愛し、どんなささいな好意に対しても感謝と敬意を忘れない人。
けれど、博士の記憶は80分しか持たない。
博士と博士をとりまく人たちが、どんなに相手を大切に思いあっても、博士の記憶には残らない。
物語全体に漂う、切なくて、どうすることもできない感じは、ここから生まれてくるのだとおもう。
博士の記憶が失われるたび、大事なことに気づかされる。
誰かの記憶に残ること、何かを記憶するほど想うこと。
淡々とした日々の生活の中に見出せる大切なこと。
いつか人と共に記憶も消え去る切なさと共に、絶対的なものの存在を感じて、心がほっと落ち着くような物語だ。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 あまりグッとくるものはなかった 2010/7/19
By 117Pon
形式:文庫|Amazonで購入
記憶を80分しか維持できない博士との交流。
その中でお互いが必要な存在になっていく過程は奇跡のようで心温まります。

しかし、全体的にストーリーや物語の展開はかなりあっさり。
良くも悪くもサラッと読めてしまいました。
このレビューは参考になりましたか?
43 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ai0610 VINE メンバー
形式:単行本
 書店とその従業員が推奨する「本屋大賞」の栄えある第1回受賞作。
 そんな記事を某週刊誌に出ているのを読んで、あまりラブ・ストーリーの本は得意ではないのですが、そんなにプロが薦めるのならと買ってみました。
 最高に面白かった、買ってみてください。
 読み始めて、休むことなく一気に読み終えました。読み終えたあと、ほのかな感動が体全体を包み込みました。
 記憶が80分しか持たない数学博士、そしてその家に派遣された家政婦と家政婦の息子ルート、そして博士の家の主人である義姉。博士の記憶障害を原因として起こる数々の問題や交流を、その四人の関係の中で描いていく。
 私は数学を苦手としていますが、同じく数学をまったく理解しない家政婦の目を通して物語が進むので、それは安心してください。
 愛するものに自己の記憶が残らないせつなさ、せつなさは苦しみではなく、心の中にゆっくりと染み渡っていくもの。
 心に染み渡る作品です。
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最近のカスタマーレビュー
5つ星のうち 4.0 とても綺麗でした
記憶の不思議差をはじめとして友愛について考えさせられます。また、数学の、数字の奥深さにためいきです。ルートクンの純粋さが読む人に感慨深くひしひしと胸を打ちます。博... 続きを読む
投稿日: 5日前 投稿者: ジェダイ
5つ星のうち 5.0 博士がルートの頭撫でる素晴らしき情景
80分しか記憶がもたない博士と、そこに勤める家政婦とその息子ルートを通して物語は語られていく。... 続きを読む
投稿日: 10日前 投稿者: ANIMAL
5つ星のうち 5.0 楽しめました。
小学校の参考書に書いてあったフェルマーの最終定理について考えたことのある私にとっては大変興味深い作品でした。取り巻く人間模様にも魅力を感じました。... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: Kaz
5つ星のうち 2.0 期待はずれ
本屋大賞作品で、映画化もされているし、テーマも面白そうだし・・・と思って読んでみましたが、がっかりです。... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: yumi6500
5つ星のうち 4.0 英語版の後書き
英語版の最後に載っている後書きがよくできているので、載せておきます。... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: Amazon Customer
5つ星のうち 5.0 なけてくる・・・愛情は80分を超えても
江夏、タイガーズ、数式・・・いろいろなモチーフがちりばめられている。... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: らら
5つ星のうち 5.0 映画になったときのキャストが目に浮かぶようだった
ものすごく感動するとか、笑い転げてしまうとかそういう内容ではない。
でもキャストが目に浮かぶ小説だった、... 続きを読む
投稿日: 2か月前 投稿者: 高須 謙一
5つ星のうち 5.0 温かくて美しい
母子家庭、記憶障害、秘密の(?)恋愛・・・途中何度か悲劇的な事態を予感させる。けれども物語は人を思いやる気持の温かさと、人が生きている世界の美しさで溢れている。
投稿日: 3か月前 投稿者: shimashimaon
5つ星のうち 5.0 博士は素敵な人
映画も見ていますが、原作本は数字とともに愛で満たされ博士と私とルートの楽しかったり、悲しかったりもあるけれど素敵なストーリーで感動しました。
投稿日: 3か月前 投稿者: ヒイロ
5つ星のうち 5.0 素晴らしい
今まで読んだ事がない感じで、とても楽しめました。とても、あたたかい物語でした。
投稿日: 3か月前 投稿者: 住田祐子
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