著者は「おたく」にくわしい精神分析医として、近年めきめき頭角をあらわしている思春期が専門の臨床医である。この本ではひきこもり問題に関して、無責任な著名人の言説を厳しく断罪するという硬派な姿勢をみせている。
「おたく」について読みたい人は、第2章「『おたく』のセクシュアリティについて」がおもしろいだろう。斎藤は述べる。おたくは、愛するもの(作品・キャラクター)を所有する儀式として、性的なパロディマンガを描いたり、評論活動をおこなう。それは稚拙であるかもしれないが、小規模ながらも一種の創作行為である。したがって、それは単純な欲望の発露ととらえるべきではない。かれらは決して倒錯者ではなく、実生活においてはふつうの性アイデンテティを保持している。
男性は自分が欲望の主体として「何かをしたい」と願うが、女性の欲望はしばしば記述困難である…(つづきは本書に当たってください)。