同じ著者による前著「英語耳」は、英語の子音と母音の発音を極めれば、リスニング力が飛躍的にあがるのだ、というシンプルな練習本でしたが、本書「単語耳」では、そのはるか先まで理論が進化しており、56パターン計500音の「音節」の「音」さえ極めれば、あらゆる単語が発音可能になる=リスニング可能になる、という内容になっています。
そしてその「音節」と著者お得意の「語源」の知識を組み合わせれば、ネイティブがアクセントを置いて話す「音節」の「音」を聞き取れた段階で、ぱっと使用英単語の選択肢が数語程度に絞られ、意味もすぐにイメージできる脳ができる、と著者は説いています。
そうした「音」の練習をしながら、同時に網羅的かつしらみつぶし的に英単語を暗記できてしまう、という意味で、より実践的な領域へと踏み出した「英語耳」と言えるのが、本書でありましょう。
とはいえ、JACETの8000語をすべて覚えさせようというのですから、ノルマもきつくなっています。本書はその第一巻目でしかなく、8000語を覚えるには全四巻を使った2年程度のレッスンが必要、とのことです(これでネイティブ並の語彙力がつくなら、楽なもの?)。
とはいえ、これほど合理的な英単語学習方法は他に類を見ない、実に画期的な試みだと納得させられるだけのものが本書にはあります。前半100ページほどを占める理論編を読めば、かなりやる気とチャレンジ精神が沸いてくるのではないでしょうか。
第一巻では、「英語耳」よりもより詳しく子音と母音を極めるレッスンが組まれており、「単語耳」ならではの「音節」のレッスンに本格的に踏み込むのは第二巻目以降とのことですので、第一巻で練習しながら(1日30分の練習で150日ほどかかる模様)続巻を楽しみに待ちたいと思います。「音」で記憶すると本当に脳科学が伝えるように英単語を忘れなくなるのか試してみたいです(とはいえ、第一巻の英単語はやさしい単語ばかりですが。。。そのほうが、英語耳づくりに専念するのは良いのだそうです)
英単語学習方法の新たなスタンダードになりえるシリーズの第一弾として評価したい一冊です。