この本の要約は「20年前に卒業した母校で、著者が後輩の高校生たちに語る、脳科学の「最前線」。切れば血の吹き出る新鮮な情報を手に、脳のダイナミズムに挑む。かつてないほどの知的興奮が沸きあがる、4つの講義を収録。 」ということに尽きると思います。
最近、脳科学に関する本は多く、面白い本は少なくありませんが、著者がこれ以上に幸せそうな本は見たことがありません。自分が興味を持った部分を後輩に語れるということ、自分が行っている研究を情熱をもって語れるということは本当に幸せなことだと思います。特に、一番ダイナミックに動いている学問分野を、感性の鋭い後輩に語れるということは素晴らしいことでしょう。
本書は、最近の脳科学関連の多様な実験結果を示しつつ、「"心"がどの様に生まれるのか? 脳内だけで決まる話なのかどうか?」などについて議論したり、「創発」「自己組織化」などの話題にまで言及します。ここで述べられている実験結果は、知らなかったことが多く非常に興味深いですね。解釈についてはちょっと違うのではと思う話もありましたがそれも含めて刺激的でした。
今脳科学は祝福された学問といってよいでしょう。ただ、話を聞いた学生が研究をするころにどうなっているかはわからないのですが。
いずれにしても学生だけでなく一般人にもお勧めの本です。