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南極海 極限の海から (集英社新書)
 
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南極海 極限の海から (集英社新書) [新書]

永延 幹男
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

遥か遠い極限の海・南極海。冒険に憧れた先人のロマンが息づく過酷で清浄な野生の地は、しかし地球環境破壊が先端的に現れる場でもあった。南極海資源研究者として調査を続ける著者の現場報告。

内容(「BOOK」データベースより)

地球上のすべての場所からまっすぐ南へ―。赤道を越え、南回帰線を越え、暴風圏のなかに潜む“海の断崖”を越えると、その先に極限の海、南極海が広がっている。先人たちが冒険のロマンを競った海であり、過酷だが清浄な野生が息づく、いのち豊かな場である。だが、海洋生物資源研究者として南極海の最前線で調査を続けてきた著者は、自然と生物のシステムの間に現われる様々な変化・振動から、地球規模の異変を感じ取らざるを得ない。高空から海の底まで、それは静かに広がっているようにみえるのだが…。現場からの手応えあるレポート。

登録情報

  • 新書: 205ページ
  • 出版社: 集英社 (2003/04)
  • ISBN-10: 4087201910
  • ISBN-13: 978-4087201918
  • 発売日: 2003/04
  • 商品の寸法: 17 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 973,412位 (本のベストセラーを見る)
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形式:新書
 
 この本は南極をフィールドとした南極学とでも言うべき「知的探検」の記録ではないだろうか。昔学生の頃に読んだ梅棹忠夫先生の「文明の生態史観」の読後感に似た興奮を覚えた。

 全体は四章からなるが、一貫して流れるのは生態学アプローチ。知をつむぎだす、発想・推理・論理、特にKJ法をベースとした総合力と学際を楽々と越えていく行動力、また様々な人との出会いの中でそれを起点としてさらなる発想を得て発展させていく点に、知の探検者としての真骨頂を見た思いがする。

 本書を知的探検の記録して読み進めると、第2章の「オキアミの棲み分け」と「偏西風によるゆらぎが海を耕す」という学説を創造するダイナミックなプロセス、第3章の「オキアミの分布密度の減少」という数多の海洋学??を悩ませた謎が、一見無関係そうな「オゾン層破壊」という地球環境問題にたどり着くまでの発想と思考のプロセスが、実に興味深い。

 特に世界中の海洋生物学者の耳目を集めたコンペディションの中で、著者が発見・実証した「オキアミの加入量の増減に及ぼす偏西風の影響の考察」は、実に胸のすく思いである。言われてみるとなるほどと思えるものでも、実際にそれを発見し、それを観測データで実証づけていく作業は困難を極めたに違いない。著者はその間の大胆な発想がどのような状況の中から生まれたのか、思考の飛躍がどのような人との出会いから生まれたのかなど、発想や思考の軌跡を客観的に克明に綴っている。

 ここから、著者の知的探検手法の一端を垣間見ることができる。分野を問わず大いに刺激を受けることになろう。そして、同時に南極の自然に満ちたフィールドワークの醍醐味もたっぷりと味わうことができるだろう。以上が、多くの方々に本書をお勧めする所以である。

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形式:新書
「南極」。かつて未開の地として、探検者たちのあこがれの地でもあった。しかし著者は、こう語る。「地理探検」の時代は終わった。そして「科学観測」の時代も、かなり進んだと。

そう、わずか百余年で時代は変わってしまった。そして、「豊饒(ほうじょう)」と「破壊」の海、現代(いま)だから言及できる、現代(いま)だからこそ考えなければならないと、ひしひしと感じられた。

著者の仕事場として従事してきた南極海が、ずっしりと凝縮されてある。言いかえるなら、この一冊は、私たちが今までおぼろげに想像していた極限の海を、自ずと真のそれとしてイメージできるようになっている。
凍てつく南極海(ハード)の中にペンギンの初々しい声(ソフト)が聞こえてくる、まさに南極ガイドブックみ!たいである。

南極海における歴史、地理、物理環境から化学、生物生態へとそしてそれを利用するヒトに至るまでわかりやすくまとめてある、科学探検入門書とでも言おうか。
これまでになく地球温暖化が叫ばれている中、その問題の視点を南極に向け改めて問いただしたい方にもお薦めの一冊である。

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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 志村真幸 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
 「南極海 極限の海から」というタイトルの、から、が本書の性格をあらわしている。著者の専門は南極海のオキアミであり、そこから明らかになった地球規模の環境破壊について、メッセージを発信する本なのである。つまり極限の海からの警告ということになる。
 温暖化、オゾン層破壊がテーマであり、南極の棚氷の崩壊、オゾンホールの出現などが語られる。南極の特殊な環境への丁寧な説明がされており、説得力もある。手つかずの大陸というイメージがあるだけに、人間による環境破壊の影響は明らかで、目先の解決・自国だけの浄化では駄目なのだとわかった。
 自分の専門に固執せず、どんどん新しい手法や研究を取り入れ、視野を広げていく。地球規模の問題に対処するには、このような人材が必要なのだろう。
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