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南京事件―「虐殺」の構造 (中公新書)
 
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南京事件―「虐殺」の構造 (中公新書) [新書]

秦 郁彦
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

満州事変以来、十数年にわたって続いた中国侵略の中で、日本軍が最も責められるべき汚点を残した南京事件とは?日本軍の戦闘詳報、陣中日誌、参戦指揮官・兵士たちの日記など、多数の資料を軸に据え、事件の実態に迫る。初版刊行以降二十年余、虐殺の有無や被害者数など、国の内外で途切れることなく続いた論争の要点とその歴史的流れをまとめる章を新たに増補。日中双方の南京戦参加部隊の一覧、詳細な参考文献、人名索引を付す。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

秦 郁彦
1932年(昭和7年)、山口県に生れる。1956年、東京大学法学部卒。ハーバード大学、コロンビア大学留学、大蔵省、防衛庁勤務。プリンストン大学客員教授、拓殖大学教授、千葉大学教授、日本大学教授などを務める。法学博士。専攻、日本近現代史。1993年度菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 370ページ
  • 出版社: 中央公論新社; 増補版 (2007/07)
  • ISBN-10: 4121907957
  • ISBN-13: 978-4121907950
  • 発売日: 2007/07
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
南京事件(1937)の研究書を2007年の夏に数冊読んだが、その中で論争史と史実の双方に目配りしている一冊。最初に読むのはこの本で良いと思うし、深入りするつもりもなければ、これだけで充分だろう。いわゆる虐殺数に関する問題よりも、なぜこの事件が起きてしまったのかという秦氏の解析が重要だろう。いわゆる「まぼろし」派の東中野修道氏の著書(「再現・南京戦」)と限りなく中間派に近い虐殺派の笠原十九司氏の「南京事件」)と併読したのだが、秦氏は東中野氏のように恣意的な「こうあって欲しい」的な陣中日記や師団命令の解釈を取らず、普通に一般人がこれらの資料を読んでも違和感のないような解釈をしているといえるだろう。笠原著のような南京城より離れたところの敗残兵狩りについては記述が少ない。

この事件は、まず第一に準備不足、第二に中島今朝吾中将を初めとする師団長レベルの軍紀の低さ、第三に、十二月十七日の入城式というあらかじめのスケジュールを決められたことによる急を要した掃討戦と捕虜処刑という余裕の無さ、第四に秦氏が指摘するような戦場心理で、普通の兵隊さんが時に悪魔のような狼藉者になるという要素が重なって起きた事件だろう。現在のイラク戦争でも米国兵がテロリストの掃討と称して、ローラー作戦で民間人を虐殺した例もあると聞くが、七十年前ではもっと国際法の遵守に対する考え方はいい加減だったはずで、戦死者を除外した虐殺数で計四万人とする秦氏の意見は素直に聞いておくべきものがある。(いわゆる二十万とか三十万とかいう数字は南京攻略戦すべての軍人、捕虜、民間人を含めた数字だとすれば納得できる。これらを明確に区別するのは仲々難しいだろう)

数字の問題を別にすれば、笠原、秦はさほど違いがないのではないかという印象を受けるが、いわゆるまぼろし派の面々とは二人は相容れないであろう。論争に参加する人はまずはこの本を熟読し、南京戦の構図を理解しておくべきだと思う。
このレビューは参考になりましたか?
43 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ?
形式:新書
この種の本は右も左も「始めに結論ありき」みたいな事ばかりが先行して自分達にとって都合がいい資料や証言だけで論じて食指がそそらない本だらけの中で、この著者が持つ実証的な視点は貴重なものだ。
ただし本文とは関係ないが、版元は版下の管理が杜撰なので、旧版からの写真が汚い。
このレビューは参考になりましたか?
60 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ishilinguist トップ500レビュアー
形式:新書
 今年70周年を迎える「南京事件」。いまだに議論がかまびしすく、日中間の問題となっているこの事件についてあくまで実証的に議論を整理、丹念に考察した一冊。
 秦氏はどちらかというと保守的な立場と見られることが多いが、それはあくまで実証的な立場を貫き、学術的な良心を貫いた結果であり、時には右派・保守派をバッサバッサと切り捨てることも多い。その姿勢と文体はお見事だ。
 本事件のような政治的・感情的に難しい問題についてあくまで透徹した議論と視点を示す本書は、学術的研究のみならず、真の望ましい日中関係を考える上で必ずや有益な一冊となるであろう。

 旧版に加えて、論争史と参考文献が増補されている。
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