本作品は1967年の映画「卒業」のサントラです。監督はサイモン&ガーファンクル(以下S&G)解散の原因にもなった映画「キャッチ22」(1970) の監督でもあるマイク・ニコルズ。音楽担当はS&Gとデイヴ・グルーシンで、サントラのプロデュースはマイルスのアルバムのプロデュースで有名なテオ・マセロです。サントラの内容は全14曲、40分に満たないものです。
細かい内容は次の通りです;1,7曲目はS&Gのオリジナル・アルバム収録と同じヴァージョン。テーマ曲の3,13はいずれもオリジナル・アルバム収録のものとは異なる構成・録音です。13は短くまとめてますが、歌詞が一部異なり完奏されており、貴重です。9はオリジナル・バージョンのエンディングにフルートのパートをつなげて、もう一度同じオリジナル・ヴァージョンに戻るという意味不明な編集ヴァージョン。11はまったく別のリミックスを施されたもので短いながら価値あるものと思います。最後の14は、なんとオリジナル・デビュー・アルバム収録の「サウンド・オブ・サイレンス」とは異なるアコースティック・ヴァージョンです。これが本サントラのハイライト・トラックと言えそうです。なお、2,4-6,8,10,12はD.グルーシンの曲です。5,12は生ギターにグルーシンのオケが絡むもので、クレジットされていませんがギターはP.サイモン自身の演奏と思われます(特に12の冒頭のフレーズはチョーキングのタイミングからも間違いないと思われます)。
まとめると、映画が好きでサントラが欲しい、或いはS&Gのオリジナル・アルバムを一通り聴いて、もっと掘り下げたいという人向けの内容でしょう。グルーシンのファンには物足りなさそうな内容ですし、少なくともS&Gの初心者には勧めるものではありません。