日本のネイチャーフォト界を牽引して来た中村征夫氏の文字通り熱い魂の記録。
一人の人間の生きざまの記録として非常に感動的であるだけでなく、特に写真やフォトジャーナリズムを志す若者にとっては、心の羅針盤になるような評伝ではないか。
自分が本当に人生を掛ける価値がある、と覚悟を決めたものに全てを打ち込むことの、勇気と難しさ。華々しい活動を続ける中村氏の活躍の裏に、これほどまでの苦労があったのか、と改めて『表現する者』としての厳しさを知らされる。
普段我々が良く目にする中村氏の、思わず頬が緩んでしまうようなほのぼのとした写真の裏に、中村氏の血の滲むような刻苦が浮かび上がって来る。
写真好き、海好き、自然好き、魚好き、そして評伝好きの方、全てにお勧め。