松村さんの哲学・人生観が織り込められている,
ほのぼのとしていて,且つ,切なくかなしい一枚.
歌詞も,曲名も,ふしぎなものが多い.
しかし,彼の著作を読んでいて,
前作のソロアルバム『ふなのような女』
を聴いておれば,違和感無く受け入れられるのではないだろうか.
先ず,このアルバムの題名,曲名が全て日本語であることに,
非常に好感が持てた.
日暮れ時にこのアルバムを聴いて,日がとっぷり暮れてから『ふなのような女』を聴くのがぴったりだ.お若い時に作られたアルバムの方が渋いのは,松村さんならではだろう.
『ふなのような女』では,詩に出てくる登場人物が,
「この後,どないなってしもたんやろ!?」
と,なんだか気にかかってしまう,全てが語られない詩がいくつかある.
そういったものも想像をくすぐって面白いけれど,
今回は一応,何れも起承転結があったように思う(でもないか.「遠い国へと旅立った」「留吉の嫁に」なったおすみさんは,一体どうなっちゃったのだろう.彦三じいさんとわりない仲となっていたらいいのだが).
個人的には,
『くらげの唄』.
松村さんの,やさしいこの唄が,大好きになってしまった.
著書『緑の性格』で述べておられる,
「生きるということは,一歩ずつ死に向かって進むこと」
を,いろいろな方向から,観て,感じて,表している.
ご本人が,「夕焼音楽」と云われるのも,そういった所以であろう.
死を,扱ったものが多い.
『一人ぼっちの僕』を創った後に,
中島らもさんをはじめ,親しい方が亡くなられたそうだ.
『そばにいるから』は,誰かに唄っている唄なのではなく,
他でもない松村さんご本人の為に唄われたものだったのだろうか,
と,ふっと思った.
Special Thanks to:に「天国の秀作じいちゃん」を入れている.胸がきゅっとなる.
未だ3回程度しか聴いていないにもかかわらず,
作業をしていて,ふと,唄やバンジョーの音色が,頭の中に流れてくる.
(音に関する記憶能力が,比較的乏しい私には,稀な事象である)
松村さんがラジオで云われていた,
「生きているだけで,楽しい.そして淋しい」
という言葉が,思い浮かぶ・・・
ところで.テープに録音した
世界の快適音楽セレクション「草の音楽」(2006.7.15)
を,最近久しぶりに聴いた.
ここで松村さんが選曲された,
デキシー・キャッスル「Stranger on the prarie」
は,「せんちめんたるちゃりじゃあにい」に面差し(?)が似ている,と思っていたら,演奏者の及川さん・青木さんがそのものであった,事を今頃になって知る.