取りあえず購入して読破したが、あまりの不出来に脱力。
ここ最近の筆者の長編作品の特徴なのだが、中盤においてはそこそこスピード感を有して読者を引き込ませるのだが、後半になるとその勢いがグダグダになってしまって消化不良を覚えてしまうという悪癖にこのシリーズも捉われてしまっている。
ネタバレになるが、例えば、生き残った韓国大統領補佐官が「今回の一連の事件で北の体制を変革させるつもりではあった」「だが、アメリカと中国の横やりでパーに」「もっとも、軍がダメージ受けたんで向こうの体制にもダメージを与えられた」などと、楽屋裏でのシナリオを自衛隊の将官に説明しているのだが、日本の領土に問答無用で攻め込んだ時点で、韓国の国際的評判が悪化しかねないようなザルの策を立てている時点で「お前ら頭大丈夫か?」としか言いようがない代物。
まあ、「ダーティボムを撃ち込まれたのに、ろくに動かず、明らかに『核の傘』という抑止効果を自らの手で放棄するというアメリカ」とか「北朝鮮が侵攻し休戦条約が破棄されたにもかかわらず、存在が空気となっている国連軍」とか、「攻め込まれたも尚『経済的結びつきが強いから』という理由で、ホイホイ派兵し、更には韓国軍の暴走に律儀に付き合う日本政府」とか、大変不思議な国際情勢・政治情勢がこの作品内で繰り広げられているのを見ると、上記のようなザル計画が進められるのも当然かもしれませんがね。
既に半島物のドンパチなら森詠氏がやっているし、北朝鮮内部でのクーデター物なら佐藤大輔氏が上梓していますので、政治的整合性とか軍事的整合性とか楽しみたい人なら、そっちを読んだ方がいいんじゃないでしょうかね。
サイレントコアの連中のドンパチ(司馬無双)を楽しみたいんならともかく。
そういわざるを得ない程、全体の設定がめちゃめちゃすぎて、仮想戦記ならぬ火葬戦記となっていますので。