前巻末の、衝撃的な『北朝鮮のノドンミサイル飽和攻撃』から、釜山の攻防、ソウルのゲリラ戦部隊編成準備までが書かれています。
所謂『ドンパチ』部分は、危機一髪的なスリリングな展開がスピード感と共にアクション映画風に描かれていて、これはこれで面白い。
釜山の綱渡り的な攻防戦や、あわやという瞬間に援軍が間にあったり。そういう意味では一種の爽快感があります。
ただ、なんといってもドウも後味が悪いというか、不気味で凄惨なのは、ノドンミサイルにダーティー・ボム(核廃棄物散布弾頭)
が使われ、被災都市での惨状が活写されたり、釜山空港でも同様のロケット兵器が発見されたり。また、その被害を受けて、防衛
大臣がやや逆上気味に韓国代表を相手に恫喝に近い交渉をしたり。『韓国=厄介な隣国』という筆者の最近の見解が表面にかなり
感情的に出ている分、今後の展開が更に陰惨なものになりそうで、読後には爽快感と、なにか妙な後味の悪さが残ります。
この筆者の作品の場合、BC兵器が使われたりするパニック物であっても、結局はロマンスを絡めてハッピーエンドに終わるものが
多いのですが、本巻に関しては、その予感があまり感じられません。一方では、謀略や陰謀史観めいたものも臭わされていて、
例えば山野車輪氏のような、ストレートな『嫌韓流』でなく、ドロリとした粘液質な嫌悪感を感じなくもない『半島ウオッチ』に
些か辟易としなくもありません。
【追記】この作者の作品(ファンタジー系の「神サイ」)が、韓国で出版されると仄聞いたしました。初期の名作「第二次湾岸戦争」
以来、一貫して粘っこい韓国批判をしてきた方だけに仰天しましたが、この作品と同様に、韓国とは「融和路線」に転向されたので
しょうか?(下記参照)
第二次湾岸戦争〈上〉 (C・NOVELS)第二次湾岸戦争〈下〉 (C・NOVELS)