一定期間こつこつ積み立てのように一定額を投資して金融商品を買うことの意味と強みについて解説した本です。
ドル・コスト平均法によるインデックスファンド買いは、長期投資の王道です。そのため、過去に「ウォール街のランダム・ウォーカー」など多くの本で取り上げられています。ただ、本書の特徴は、専門的な用語を徹底排除して、簡単な例示を多く取り上げて投資についての経験がまったくない人でもその威力がわかるように説明することに注力している点でしょう。その点については、よくできている本だと思います。ちょうど同時期に「ほったらかし投資術」という本が出ていますが、あちらはある程度投資経験のある人向け、こちらは投資経験がない人でもわかるようになっているといえます。
実際にこの方式で投資する場合、国内と海外の投資バランスを考えたり具体的な投資商品の調査を個別に行う必要はあります。ただ、最後の方で、MSCIやTOPIX含めたパフォーマンスの比較をしているところはあって、今までの傾向を確認するという点でそこは参考になります。また、ドル・コスト平均法で資産形成する場合に問題となる「売り」のタイミングについては、著者もそれが弱点であることを認めているように、やはりどうするかは個々で考える必要があります。
確定拠出型年金が世の中に広まるにつれ、今まで株式投資などリスクの高い金融商品を避けてきた人たちも、リスク商品への投資をどのように自己の資産形成に組み込んでゆくか考えなければならない時代になりつつあります。本書は、そのような人たちにとって最初の手引き書として一定の役割を果たせる内容にはなっているように思われます。