江戸末期に岡っ引きであった「半七老人」から、明治の若い新聞記者である「わたし」が昔語りを聞かせてもらう小説。
「半七捕物帳」が書かれたのは大正6年〜昭和11年までなので、江戸〜明治〜大正〜昭和そして平成の今までの江戸(東京)の万華鏡のような変遷と、それとは違う次元で変わることない市井の人々の生命力のようなものが感じとれます。次々と思い出したようにつながってゆく話題の広がり方が、あたかも目の前で昔語りをされているような臨場感があっていい。
<5>の収録作は「新カチカチ山」「唐人飴」「かむろ蛇」「河豚太鼓」「幽霊の観世物」「菊人形の昔」「蟹のお角」「青山の仇討」「吉良の脇指」「歩兵の髪切り」
「江戸名所図会」を制作の動機のひとつにしているそうなので、併せて読む(見るだけでも)と作品世界に浸りやすいかも。