装丁もなかなか洒落ていて、存在感のある
いい本です。
この本は翻訳ですが、たぶんコラス氏自身が
書いた日本語の方が、この訳者によるコラス氏の
フランス語の日本語訳よりも上だと思います。
(それくらい彼の日本語はすばらしい)
一方、シャンサさんの部分については、彼女の
生い立ちや経験は興味深くもあるのですが、
根深い「選民意識」が正直ハナにつきます。
異文化の中で暮らせば、当然母国の歴史や
自分の血脈を意識せざるをえないでしょうが、
そういうところから離れて、軽やかに一人の
個人である、ということはムリなんですかね。
コラス氏にはそういうところを感じましたが、
シャンサさんの頭でっかちな優等生ぶりには
肩が凝る感じがします。ついここ1,2年のうち
に書かれたにしちゃあ、現代的な諧謔ってものが
皆無。