素晴らしい…(溜息
どこか妖しい妖魔を描いていた頃の魔夜峰央や、人の情の強さを描く今市子を彷彿とさせるものがあり、
時代劇純文学テイストの内に怪(あやかし)を織り交ぜたような独特の色香があります。
向かって右の坊主に近い青年に成り切らない少年のような座頭は、その名の通り千の魂を喰らった人間成らざるもの。
輪廻の輪から弾き出され、生まれ変わって誰かとの縁を繋ぐことも赦されず、喜びや怒りや哀しみといった人の形を成す情すらも
肉体の衰えとともに失せており、人のために魂を喰らっているというよりも契を交わすことで己に苦痛や罰を与え、
他人の魂が馴染む痛みで自分が生きているという実感を得ている…といった感じ。果たして千載の犯した罪とは何なのか。
その千載に引き寄せられるように添うのが、向かって左の剣豪、草薙。これがまた惚れ惚れするほどいい男v
「痛みしか感じない」とカララと笑う千載に、直接触れて人の情というものを伝えようとする。
そういう言葉の羅列ではなく間や画面構成で何かを伝えようとする表現は、よしながふみに通ずるところがあります。
漫画という媒体でしか描き切れない美しさ、切なさ、傷み、哀しみが、ぎゅっと封じ込められています。
一話完結タイプのお話が4本。短いながらも非常に上手くまとめてあり、ほろりとさせたりフッと微笑ましく思えたり。
決して後味の良いものばかりではありませんが、じっくり何度でも開いて愉しむタイプの漫画です。
すでに続刊が決まっていて、草薙の大剣豪ぶりが見られるとか。それも一つの大きな見せ場なので楽しみです。
ヒゲオヤジスキーさんは必見。細マッチョな千載の美しい裸体も必見。