シリーズの8作目,上下巻にわかれた上巻になります.
冒頭にはじまり,突飛なことが多いのはいつものことですが,
その後もいきなりの場面展開が多く,忙しない印象を受けます.
また,この場面展開を含めて,不自然な説明や描写が目立つため,
あまりにわかりやすい伏線提示となっているのが引っかかるところ.
とはいえ,前作にて心身ともに大きなダメージを負った主人公が,
それに苦しみながらも,なお前に進もうとする姿は印象に残ります.
また,新シリーズ開始時に著者自らが語っていた主人公の『人間味』,
特別な能力を持つゆえの女性としての感情の揺れもよく描かれています.
ただ,角川の関連作品をセリフに出てくることが何度かあるのですが,
新シリーズになってからは多く,『いやらしさ』を感じてしまいますし,
怨みでもあるのか,実在するある施設への厳しい『あたり』も不快です….
ちなみに『シンガポール・フライヤー』とは表紙にもある大観覧車のこと.
08年03月に誕生したばかりで,著者の世間や新しいものへ敏感さが伺えます.