千住さんのコンサートで、ストラディバリ「デュランティ」の音色をじかに聴く機会があった。その玲瓏な音色、響を耳にして、あの名器「ストラディバリ」がどのようにして千住さんの手に渡ったのかとても知りたくなった。アントニオ・ストラディバリは生涯、数多くの楽器を製作したが、現存するのは600余り。その希少性ゆえ、それぞれの楽器にはときおりドラマが生まれる。この本では、スイスで発見されたストラディバリが千住家の一員になるまでの経緯を話しながらも、(ここが大切だが)同時に千住博氏や千住明氏ら千住家という家族の「絆」、音楽に対する愛情が伝わってくる本である。