遠藤周作没後10年の時点で発見された氏の初期の原稿を出版したもの。
「十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。」という、たいそうなタイトルの本であるが、これは、未発表原稿の冒頭がこの句で始まることによるもの。内容は、基本的に手紙の書き方、それも男性が女性にデートの申し込みをする手紙と、病人への見舞いの手紙が中心になっている。
遠藤周作氏らしいユーモアにあふれた筆致であり、(何十年も前に書かれた原稿なので)男女の付き合い方も古風であり、さらに私のように少年期にたくさん遠藤作品を読んだ世代からすれば「楽しく懐かしい」の一語につきる。
そして手紙の書き方を指南するというスタンスをとりながら、「相手を思いやること」や「文章はどう書くべきか」や「(男女関係だけでなく)人と人が付き合うことはどうあるべきか」を教えてくれる本になっている。
やさしい文章で書かれている200ページたらずの本なので、肩肘はらずに簡単に読めます。
なんだか読んでほっとするようないい本です。