この作品は一貫して継母である八重の視点から
物語が進んで行きます。
夫の逝去で後添えとして入った家を長男夫婦に3女のおみちとともに
追い出され引っ越した先で待ち受けていた【お熊】と云う女に
からんだ数々のイザコザ騒ぎとその息子・鶴太郎とおみちの恋の行方に
ページをめくる手が止まりませんでした…。
義母・八重の視点から母親として悩んだり悲しんだり怒ったりの様子が
手に取るように伝わりました。
それにはいつも【なさぬなか】と云う苦悩がつきまといます。
普通の母親であり普通の主婦であり普通の人間(地位も名誉もある訳でなく)
である八重ですがその常識的な一人の女性・八重に共感共鳴しました。
私は母親になったことはありませんが疑似的に『母親ってこういうものだよねぇ』
とう云う感覚を味わい楽しかったです。
近所のイザコザにも正当に常識を持って対処する八重はやはり本当の意味で
大人であるとも思いました。
しかし猛女・お熊の息子・鶴太郎は病を患っておりおみちの恋の行方は波乱です。
乗り越えることでおみちは成長するのですがやはりこちらは
多少、不可解な結末で残念な感は拭えませんでした。