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十字軍の思想 (ちくま新書)
 
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十字軍の思想 (ちくま新書) [新書]

山内 進
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「聖戦」という言葉は、今ではイスラムのテロ行為を正当化するための代名詞となっている。しかし、それが歴史の中で形となって現われたのは、中世ヨーロッパのカトリック世界においてであった。そこでは、異教徒に支配されている「聖地エルサレム」の奪還を旗印として、「十字軍」が構想された。ローマ教皇と教会法学者は、十字軍による非ヨーロッパ世界の征服・略奪を、道徳的にも法的にも正当化していた。その流れの中から登場したのが、「新しいイスラエル」アメリカである。今日、アメリカの突出した行動を支える思想として甦りつつある「十字軍」と「聖戦」思想の歴史をたどり、キリスト教世界の深層心理を探る。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

山内 進
1949年小樽生まれ。一橋大学法学部を経て、同大学院法学研究科博士課程中退。その後、成城大学教授を経て、現在は一橋大学大学院法学研究科教授。専攻は西洋法制史。著書に『北の十字軍』(講談社選書メチエ、サントリー学芸賞)などがある。なお、一橋大学国際共同研究センター研究員も兼任する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 235ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2003/07)
  • ISBN-10: 4480061223
  • ISBN-13: 978-4480061225
  • 発売日: 2003/07
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 70,269位 (本のベストセラーを見る)
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By SAH
形式:新書
ブッシュ大統領は同時テロ直後の会見で、

テロ行為に対する戦争を「十字軍」と表現した。

「十字軍」という言葉の持つ何か肯定的なニュアンスや神聖なイメージを意識しての発言だろう。

日本も西洋史中心の感覚があるからだろうか、

日本人にも理解できるものと言える。

筆者はこういった例などを用いて、

十字軍の思想は時空を越える思想としての側面を持ち、

西洋史を貫く地下水脈のようなものであると評価し、

いつ噴出すか分からないと言う意味で間歇泉とも表現している。

十字軍は特殊な西洋中世的な形態を持った聖戦であるが、

十字軍の思想の始まりとして、

古代ローマ帝国で始めてキリスト教を公認したミラノ勅令以前の戦いから始まるとし、

以降、いわゆる11−13世紀のナンバー十字軍だけでなく、

様々な十字軍が取り上げられ、その思想的背景などを説明している。
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By 糸音 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
十字軍を支える思想とは何か。
十字軍を支える思想は歴史的な十字軍に留まらず現代にも生きている。
図らずも(もしくは意図的に?)口に出てしてしまった某国の大統領のように今も十字軍という用語が広く使用されているのである。

コンスタンティヌス、オットー、エルサレムの解放、レコンキスタ、アルビジョワ、北方の十字軍そしてプロテスタンティズム・・・十字軍を約束の地であるエルサレムの奪還を目指す運動のみでなく、キリスト教の版図の拡大への思想と読むことによってその適用範囲は拡大する。勿論、用語を厳密に区切ることもあり、拡大的に応用することもある。事、十字軍の問題を現代的に解釈するには後者の立場が必要になるであろう。

ユダヤ教・キリスト教とイスラムの対立が激しくなる今、日本人にはなじみの薄い十字軍の思想を知ることは紛争の背景を解き明かす重要な鍵となる。

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By Kohei
形式:新書
本著作の有意義な点は、何といっても十字軍のナンバーリングを疑問視している点である。
これは、"多元主義"という十字軍研究の潮流である。

十字軍とは、何か?

実際は、「十字軍」という言葉が使われ始めたのは13世紀中頃になってからである。
それまでは、十字軍遠征は「巡礼」や「エルサレムへの旅」などと呼ばれていた。
つまり、十字軍を定義するものが曖昧なのであったのである。

研究者たちは、様々な要素を持ち出し、それぞれの「十字軍の思想」を描いている。
この著者が重要視している要素は「聖戦」である。
それは、「制度化」というモデルに「贖宥」や「特権」といった要素を組み込む、最良のコンセプトであろう。

しかしながら、当時の教皇庁はまだしも、十字軍に参加した者が、
どのように十字軍遠征を捉えていたのかという点には、あまり触れられていない。

このように、研究者の行う十字軍のモデル化とその当事者たちの考えとを、上手くかみ合わせることは難しいのが現状である。

ただ、日本において、十字軍のモデル化を図って、このナンバーリングを疑問視したことは非常に有意義なことである。
現在、邦語で読める最先端の十字軍研究書であるといってもよいだろう。
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