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4篇の構成は、標題作が初々しい青春小説ミステリー、「イノセント・デイズ」がサスペンス系ミステリー、他2編がちょっとしたの勘違いから生じる日常ミステリー、といった具合のもので、それぞれに季節の花がちょっとしたアイテムになっている。
奇怪なトリックで煙に巻く種のミステリーではないため、最後に強烈な印象こそ受けなかったが、自然な展開に盛り込まれた伏線、少しずつ登場人物の動機を明かしていく過程は、食事も喉を通らないこと請け合い。
ユーモラスな比喩表現は、日常生活でも使ってみたくなるかも・・・。
ケチって文庫を待った自分が恥ずかしい。
ミステリー・・・と言うよりも内容自体は
生活の中で生まれた小さなミステイクと自分は思っている。
特に「ささやかな奇跡」と「兄貴の純情」は
ミステイクと言う言葉がピッタリじゃないだろうか。
少しシリアスな話は「イノセント・デイズ」だろう。
読んでいて心が少し優しくなれる話ばかりです。
コロコロゆっくりと展開する物語そのものが,とても読んでいて心地よい。作者が人の心を,そして言葉を大事にしているのがよくわかる。
加納朋子さんの作品世界にも似ているが,あちらがファンタジックな世界のなかに苦み混じりの現実の美しさを描くとしたら,こちらは現実のなかにファンタジックな交流を描いているという感じがする。
人の心の機敏を巧みに描くが,雰囲気としてのユーモアに包まれていて,しかも人情の世界にとどまることなく,天のくにというか,超越的なものへの志向性も,どこかにひそめもっている気がする。
とくに「ささやかな奇跡」は大好きになった。小説を読む喜びをあらためて感じさせてくれる作品集だった。
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