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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
切ない旅の物語12編,
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レビュー対象商品: 十二の遍歴の物語 (新潮・現代世界の文学) (単行本)
ガルシア・マルケスは言わずと知れたノーベル賞作家である。ラテンアメリカ文学の巨星だが、実際に南米に住んでいた時期は少ないという(あとがきより)。本書は、もっぱら欧州やメキシコ、キューバなどで異邦人として暮らしてきた著者の人生観が味わえる、12の旅の物語。失脚した大統領の亡命先での出来事、老い先短い老女の孤独な旅路、などなど、短編の名手であることも証明した。故郷を離れている人、旅に出ようとしている人におすすめ。
5つ星のうち 4.0
愛を信じないロマンチスト,
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レビュー対象商品: 十二の遍歴の物語 (新潮・現代世界の文学) (単行本)
12作全部をとても字数制限内に語れないので、1作だけレビューします。川端康成の短編に着想を得て、マルケスはこの本に収録されている短編「眠れる美女の飛行」(1982年)と長編「わが悲しき娼婦たちの思い出」(2004年・作者77歳!)を書き上げました。夜間フライトでたまたま乗り合わせた航空会社勤務の「眠れる美女」をじっと見つめ愛する、という内容の前者に対し、後者は幼い娼婦の寝姿に恋した老人の恋愛劇に話が深化しています。着想が熟するのをじっくり待つのがマルケス本人が語る創作スタイルですが、この短編自体が書き上げまでにかなりの年月をかけており、さらに長編にするのに20年かかっています。徹底して愛の不在を語り、描く恋愛の多くが娼館を舞台にしているという恋愛悲観主義者のマルケスですが、だからこそ「眠れる美女への片思い」というモチーフを偏愛するロマンチストでもあるという逆接が面白いですね。この2作を読み比べれば、マルケスの創作スタイルを凝縮して味わえると思います。
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