まず、「悲しいほど青く」は相当の名曲である。張り詰めた空気に純度の高い歌とメロが存分に聴ける、一つの決定打だったと思う。
清浦夏実は大人びている。とても19歳とは思えない声色の使い分け方。 を、存分に堪能できる1stアルバム「十九色」。
そのタイトルに違わず、とてもバリエーション豊かな楽曲たちが詰まっていて、全体を通して色彩豊かなアルバムになっている。
シリアスで力の籠もった楽曲から伸び伸びと聴ける柔らかなポップス、ディープなバラードまで幅広いタイプの楽曲を
実に器用に、それでいてどの曲も彼女色に染め上げられている。そういう歌い方をされている。
正直、一枚目にしてきちんと名盤と呼べる出来のアルバムになったと思う。
面白いのは、様々な作家から提供を受けているのだが、どの曲も彼女に合わせて作られたというか
それともそういう楽曲を彼女自らが引き寄せているというか、なんとなくそういう雰囲気がある。要は芯がしっかりしている。
「旅の途中」と「僕らの合い言葉」は同一人物が歌っているとは思えないほどギャップがあるし、
「アノネデモネ」と「銀色の悲しみ」はそもそも音楽ジャンル自体が違う。
しかし、実際はどの楽曲もきちんと清浦夏実なのである。 この才能というか歌いこなしは素直に凄いと思えた。
で、そんな彼女が歌いこなす楽曲の数々は元からして質のいい楽曲ばかり。これで良くないはずがない。
どの楽曲もポップスとしていちいち秀逸、好きな曲を挙げる必要がないくらいの粒揃いのアルバム。最後の石川セリのカバーも思ったより出来が良くて驚き。
個人的には「銀色の悲しみ」のギターポップ調のサウンドや「虹色ポケット」「僕らの合い言葉」の適度なアップテンポ感とかもツボでした。
「パレット」の大人っぽさも中々に素敵。
添加物のない純粋なポップ・ミュージックを求める人にはうってつけの一枚だと思う。それくらい良かったです。末永く聴けそうな一枚。