‥この人、なんで生きてんの?
っていう単純な疑問が最後のほうにありました。
他のレビュアーの方々が言う残忍なシーンや、十三人のキャラクターの描かれ方が浅いとか、確かにありましたが。
ネタバレになるので事細かく書きませんが、見ればわかります。
他として話の始めは稲垣吾郎の悪役ぶりばかりに集約されて、先にも書いた主役側の描かれ方が足りずに薄い、というのもまた彼の狂気とグロテスクばかりを目立たせた結果となったのだと思います。
女性の描き方も残忍な結果としてだけの材料と、汚れたエロスの象徴としての2つだけに留まっていました。逆を言えば、それがこの作品の骨太な演出にもなっているのかもしれませんが。しかしそれもなんか、やや取ってつけた感じさえしました。
役者さんは皆さん、真剣で良い演技をしていただけに監督の好き放題、やりたい放題によっておじゃんにさせられた感じがします。
この冒頭に書いた何故、生きてんの?という疑問はまさにそれの象徴的なシーンであり、もはやあれは見ている側を騙すというレベルではなく、筋書きのある映画や物語においてはやってはいけないルール違反ですらあると思います。
人を殺すなら殺す、生かすなら生かすどっちかにさせてほしい。
仮に生かすのであったとしたら、はっきりと最期の一太刀を貰わず曖昧な終わりのままのキャラクターがいたと思うので、そちらを立たせていた方がまだ見ている側も理解できて、まとまったと思います。
他はまあまあで評価するにはあまりに惜しい作品でしたが、その1点が惜しいだけでは済まされません。
真剣な生死を題材にした映画としては、あれがその全てを台なしにさせてしまったシーンであり、それがあったことでこの映画は決定的な、ただのコメディー以下の駄作になってしまった。
迫真の演技を真面目に精一杯、演じていた役者さん達があまりにも可哀相です。