硫黄島でのことは、どんなに文章にしても本当のところは伝わらない(伝えることができない)と思いながらも、「玉砕」の一言で語られてしまうことに「耐えられない」という言葉は、ひたすらに重い。
どの頁を読んでも凄惨という言葉を通り越しています。自ら「人間の耐久性試験」と言うほどの有様は、現在の平和な世界に生きる私には想像だにできません。これを読むと、イーストウッドが描いた戦場は、あれであっても「綺麗すぎる」と思えてしまいます。この世に地獄があるならば、まさにそのままです。
米国はブルトーザとダンプで地下壕の上をまっ平らにし(地下には日本人が生き埋めにされたまま)、投光器が煌々と照らす砲撃の後など痕跡もない広場に大量の物資を運び込んでいったという記述は、戦争の一面を如実に伝えています。
擂鉢山の星条旗の欺瞞を描いたのが「父親たちの星条旗」でしたが、そこに日章旗が二度もはためいたということは驚くべき事実です。