内容紹介
姉上、あなたの肉を食べてみたい・・・・・・。
その声は妖魔の甘いささやき。中国の神仙譚や幽霊話、六朝風志怪風の怪異譚、日本やベトナムを舞台にしたアジアン怪談など全17作。
デビュー2作目の刊行。
今回も中国を中心に、ひろくアジアン怪談を収録。
怪しい話、不思議な話、仙人が登場する怪異譚・・・。
中国には、古典文学から現代小説まで怪談がたくさんある。
表題作の「十七歳の湯夫人」は、お屋敷に住む十七歳の賢夫人である「湯夫人」の元に、王家の主人が何者かに山中で追われていた美しく妖艶な娘・阿露【あろ】を屋敷にかくまう。湯夫人は妹と呼び、娘の面倒を見る。ところが阿露が家に来てから、次々と家畜が無残にも殺される事件が続く。かつて臼仙人という老人のものとで修行した湯夫人のかつての同僚が、屋敷に立ち上る黒い気を見て、心配して様子を見にきたが、黒い気配は消えていた。そんなある日、王家の家人が内臓を抜かれた死体で発見される。傍には血まみれの阿露が。阿露の正体は何者か?何の目的で王家に忍び寄ったのか? 中国版「吸血鬼カーミラ」を髣髴とさせる、表題作の伝奇風の中国ファンタジーほか、デビュー作『竜岩石とただならぬ娘』の中に収められた「怪しい白家」のその後の奇談、大正・昭和の作家が好んで描いた支那趣味の怪談、ベトナムや日本を舞台にしたアジアン怪談集。
著者について
手県出身。SF同人誌『ボレアス』にて作品を発表し続け、2006年「軍馬の帰還」(『てのひら怪談』ポプラ文庫に所収)で第4回bk1怪談大賞を受賞。「竜岩石」で第2回『幽』怪談文学賞短編部門優秀賞を受賞。中国志怪風小説の新たな書き手として京極夏彦をはじめ、選考委員が感嘆。本作品がデビュー2作目となる。