NHK記者であった著者は、第三者でしかありえない立場を捨て、
当事者になるために、医者になった。
前半部分は、記者をやめ、山口大学医学部に学士入学して医者になるまでが
綴られている。
私は、山口県出身なので、山口大学卒の友人・知り合いも多く、医学部時代の
狭い世界での医学生や教授たちとのやりとりはとても興味深かった。
医者になってからの記述は、他でも言われているような情報や主張が主で新鮮味はあまりない。
せっかく内側に入ったわりには、記者としてでも、粘り強く取材すれば、書けたのでは、
というような情報が主のような気がした。
それでも、文章が平易で、リアルな描き方をしてあるので面白く読めた。
著者はこれからどうなるのだろう。
著者があげたような医療現場の様々な問題点は、一医者が解決できるようなレベルの
問題ではないことだらけだ。
著者は、これから、一医者としてのみ生きることに満足できるのだろうか。
それが、当事者として生きるということなのだが。
余計なことかもしれないが、少し気になった。