この夏に予期せぬ長期入院を強いられました。入院日数が増え、様々な検査項目が積み重なるにつれ、加入している民間医療保険から受け取れる保障で間に合うのか、と不安が募りました。おまけに病室で見るテレビのCMで、様々な新型医療保険が宣伝されていて、私の不安と焦燥は増大するばかり。
退院と同時に足掛け3ヶ月に渡る医療費の自己負担額を窓口で納め、さぁこの多額の支出をどうしようか、と思ったものです。
しかし、本書を読む限り、私のようなサラリーマンは過度に心配する必要はないということが分かります。私が公的保険として加入しているような「組合管掌健康保険」には、「高額療養費」の附加給付として、1ヶ月あたりの自己負担の限度枠を法律で決まっている金額よりも低い金額に設定しているのです。この本にしたがって自分のケースを確認したところ、私の場合は1ヶ月あたりの自己負担限度額がおおむね2万円を超えると、その越えた部分は後日還付されるということが分かりました。こうしたことはいざ実際に闘病生活を送ってみないと気がつかないものです。
入院するとこんなに多額の医療費がのしかかってきますよ、といたずらに不安をあおるかのようなテレビCMを前に、熟慮せずに民間医療保険にとびつく愚を本書は戒めています。日本は国民皆保険制度が整った国で、自分が加入しているこの公的保険の仕組みをまずじっくりと確認することが必要だと訴えます。
そしてまずはきちんと貯蓄を励行し、その貯蓄と公的保険による保障をあわせても不足だと感じる部分を、民間医療保険への賢い加入で解消することを勧めるのです。
「医療保険に入ってはいけない!」というのはなかなか刺激的なタイトルで、必ずしも入ってはいけないわけではないという内容との齟齬を感じないでもありませんが、本書が勧める保険生活は、大変ためになるものだと感じました。