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医療の限界 (新潮新書)
 
 

医療の限界 (新潮新書) (新書)

小松 秀樹 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

日本人は死生観を失った。リスクのない治療はない。患者は消
費者ではない----。医療の現場を崩壊させる、際限のない社会の「安心・安
全」要求、科学を理解しない刑事司法のレトリック、コストとクオリティを無視
した建前ばかりの行政制度など、さまざまな要因を、具体例とともに思想的見
地まで掘り下げて論及する。いったい医療は誰のものか? 日本の医療が直面す
る重大な選択肢を鋭く問う。

内容(「BOOK」データベースより)

日本人は死生観を失った。リスクのない治療はない。患者は消費者ではない―。医療の現場を崩壊させる、際限のない社会の「安心・安全」要求、科学を理解しない刑事司法のレトリック、コストとクオリティを無視した建前ばかりの行政制度など、さまざまな要因を、具体例とともに思想的見地まで掘り下げて論及する。いったい医療は誰のものか?日本の医療が直面する重大な選択肢を鋭く問う。

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5つ星のうち 5.0 医療崩壊はさらに加速度的に進むだろう, 2007/6/20
「医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か」に続く小松医師の本。こちらは一般啓蒙書。

「このままではリスクの高い医療を引き受ける医師がいなくなる」ということを医師の立場から主張している。
全体として密度が濃い内容だが、焦点がじゅうぶんに絞られていないので、一般の人には著者のメッセージが届きにくいと思う。

第一章「死生観と医療の不確実性」、第二章「無謬からの脱却」、第三章「医療と司法」、第四章「医療の現場で〜虎ノ門病院での取り組み」、第五章「医療のおける教育、評価、人事」、第六章「公共財と通常財」、第七章「医療崩壊を防げるか」

私は、「医療というのは、モノを買うのと違って、価値と価値の交換に乗らないシステム」と考えている。
医療は、本来は、生命・身体をまもるシステムとしての公共財であるのに、社会全体が、医療現場を知らないまま無責任に発言し、医療システムを改悪している。
また、医療行為の瑣末な一面だけをとらえて、個別の医療労働者が暴力的な攻撃にさらされている。

私自身は、10年以上前にそのような暴力的な現場を離れた。つまり、そのような現場からすでに立ち去った。

今後も日本の医療崩壊は続いていくだろうが、将来、荒廃しつくされた医療環境になってから、記念碑的に小松医師の本が思い出されると思う。
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5つ星のうち 5.0 正直、勤務医はやってられない, 2007/6/30
 私事ではあるが、私は開業医である。ずっと、公的病院にて勤務医をしていたのだが、年をとるにつれ、肉体的・精神的苦痛が強くなってきた。とてもじゃないが、定年まであと20年以上、同じような生活はできないと考え、開業を決意したのである。
 私の行動は、小林先生のいう「立ち去り型サボタージュ」の典型である。
 私の同僚の勤務医も、お金が何とかなるのなら、開業したいと考えているものがほとんどであった。

 医師だって人間である。肉体的にも、精神的にも安心して仕事をしたいと思っている。
 当直明けもずっとふらふらになりながら働かなければならない現場、不幸な転帰をとった場合、たとえ不可抗力であっても、業務上過失致死に問われかれない世間の風潮(福島県の産婦人科医師の逮捕などその典型である)、高度な医療をしている医師ほど、強い緊張を強いられている。とてもじゃないが身がもたない。

 あるサイトでは、自治体長に「うちの地域では,医療訴訟は禁止します.また,医療事故で医師を逮捕することはいたしません.」と宣言させてはどうかと言っていた。法的な縛りはないが、医師は安心して働けるはずだということである。
 まあ、もっと医療環境が悪化しないと、マスコミも、社会(世間)もわからないんだろうなと思う。
 ある一般人(医療関係者でない人のこと)記事で、医師へのクレームとともに、その文脈で「医療崩壊が進んでいる」と書いてあるのを見た。世間の理解度はこんなものなのである。

 小林先生の前著「医療崩壊」もすばらしい本であった。一般人向けにかかれたこの本を読んで、一般の人にも医療の実態を知って欲しいと思うが、おそらく読むのはこれまた医療関係者ばかりだろうなと思うのである。
 私はあまり、社会に期待できないでいる。
 
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5つ星のうち 5.0 4時間でわかる「医療崩壊」, 2007/7/1
By kewpie - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
医療が危機に瀕していることを、遅まきながら世に知らしめることに成功した著書「医療崩壊」を一般向けに書き直した本である。「医療崩壊」が重すぎると思う人には、格好の本である。なお、この問題については、鈴木厚氏という先駆者がいて、些かドン・キホーテ的であったとはいえ、早い時代から警鐘を鳴らしていたことを、ここで特筆したい。彼のことを、これまでマスコミは黙殺し、世の中もこの警鐘を信じなかったのである。

大筋で同意、ただし細かい点では多少意見が違う。大体は、私の方がラディカルな意見であるが、それはこの問題に関する私の社会的責任が、著者よりも軽いことによると思う。つまり私でも、著者と同じ立場なら、このように穏当な意見しか言わないだろう。しかしながら、私は大衆(および、それと共依存関係にあるマスコミ)には、何ら期待をしていない。行き着くところまで行き、ついにアクセス不能、大崩壊の事態とならなければ、今ある日本の医療のありがたさは理解されないと思うのである。また、漸進的な改革では、成就を待たず医療は完全に崩壊するだろう。現場はそれまで待てない。改革の途中で医療側にふりかかる不利益は、とても無視できるレベルではないと思う。

小細工はだめ。医療を崩壊から救うには、方法はふたつしかなく、それは同時に行う必要がある。医療費を大幅に引き上げて経営も個々の医療従事者の仕事も楽にすること、および、医療行為への司法の介入を禁じ、無過失補償制度を速やかに施行すること、である。後者にはさらに説明が要るが、要するに法律だけの専門家に医療行為の妥当性を裁く資格があるはずはないのである。
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