東北大学大学院医学系研究科地域医療システム学(宮城県)寄附講座が主催した3回のシンポジウムでの専門家、現場医師17人の講演内容の記録である。3回のシンポジウムは「医師不足」、「マグネットホスピタル」、「地域での医師の育成」。地域医療の現状の分析に始まり、この地域医療崩壊の危機をどのように乗り越えるべきか、というビジョンの提示までカバーしている。医師不足を示すデータはユニークだ。マグネットホスピタルの提言とその議論も興味深い。この東北大学が提唱したマグネットホスピタルの構想は歪曲された形で厚生労働省が政策に取り入れられたという。地域での医師育成では特に群星沖縄臨床研修センター長の宮城征四郎先生の言葉が珠玉のように光っている。300ページを越す分量だが、地域医療崩壊の危機にある現状をどのように乗り切るかというアイディア・示唆に富む名著と言って良い。