本書は医学部学生の疫学の教科書であるが、他の教科書にはない著者の斬新な工夫が数多く盛り込まれている。各章は患者プロフィールで始まり、疫学と実践医学とを結びつけている。その症例は、癌、虚血性心疾患、感染症、周産期障害などの領域から提示されており、
疫学的方法がさまざまな状況で用いられていることを示している。また、教科書というよりも、読み物の感じを与えるほど平易な文体で、医学疫学はもちろん、医学の本質を理解することができる。
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各章の冒頭には、たとえば乳がんの患者さんに脂肪制限食をすすめるべきか?、心筋梗塞の患者さんの初期治療ではどの薬剤を選択するべきか?若年男性の感染症の患者が多発したがどのように解析をすすめるべきか?などのプラクティカルなスタディークエスチョンが示され、その問題に疫学的にはどのようにアプローチすべきかが簡潔に示されている。
また各章末には練習問題があり知識を整理できるようになっている。
なかなかとっつきにくい分野でもあり、特に医学的側面から疫学にアプローチし始めたい方にはお勧めと思う。
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