推理作家協会の前身・探偵作家クラブ、さらには組織化される前の親睦会「土曜会」の、会報が手書き・ガリ版刷りだった頃まで遡り、有名推理作家たちが、どんなことに興味を抱き、どんな会合を開いていたのか、を追体験するという内容。
江戸川乱歩VS大下宇陀児による将棋の棋譜(解説:高橋和)にはじまり、乱歩と城昌幸が当時の東京の落語界のビッグネームを集めて話を聞いた座談会の再録など、ミステリ小説ではなくミステリ作家に興味がある人にとっては、なかなか他に得がたい本になっている。
極め付けは付録CD。横溝正史原作による文士劇「びっくり箱殺人事件」のラジオ放送に加えて、江戸川乱歩が歌った「城ヶ島の雨」など、よくぞ復刻した(というか素材自体、よくぞ残っていた!)と思うような音源ばかり。文字通りの「びっくり箱」。