本書は、きわめて入手困難な北朝鮮の小学校の国語と音楽の教科書を紹介している。
そこには例えば、金日成、金正日の明らかに非現実的な超人的な能力(金正日が地球儀の日本を塗りつぶすと本当に日本でも真っ暗になったらしい)や、ひたすら彼らを賛美する言葉、そして日本、韓国、米国に対する明らかに事実と反する罵倒の言葉が展開している。
これらの常軌を逸した、とうてい教育的と思えない教科書は、金日成・金正日体制を正当化するためのものであるという。
誤解を恐れずに言えば、「キワモノ」として冗談の種にあふれた一冊ではある。しかしまた同時に、日本海のすぐ向こうにこのような体制を持つ国家が現実に存在しており、多くの民を飢えに苦しませながら、現代の日本を「軍国主義」と非難し、拉致問題や核ミサイルに対してなんら誠実的な対応をみせていないことに、我々は戦慄せざるを得ない。