英文タイトル(参考)The Inside Story of the Negotiations on the
Northern Territory Five Lost Windows of Opportunity
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最も参考になったカスタマーレビュー
47 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
広く読まれて欲しい本。,
By えっつい (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 北方領土交渉秘録―失われた五度の機会 (単行本)
東郷氏の視座と志の高さ、教養と能力の高さに感嘆を受ける。そして彼の「北方領土返還」にかける情熱、16年という長い年月− そして後世に託すその想い、読んで思わず涙がでた。日本史の中で、時間をかけても読むに値する良書、記録と感じる。
彼が関わった中では、機会は5度もあり、そして最後は、まさに「返還」に王手がかかったにも関わらず、時代は違う方向へと進んでしまう。 彼は、この本を通じて、広く国民に、当時出来なかった説明をしている。その説明の内容はかなり踏み込んでいると思う。多くの国民が東郷氏と彼のチームを再評価すると感じる。外務省に、高潔な外交官が国益の為に活躍された事を嬉しく思う一方、東郷氏が辞めざるを得なかった当時の「鈴木宗男事件」に関わるポリティクスは、一体何だったのかと思う。 佐藤優氏が解説を26ページ執筆されている。より時代の流れが解りやすく、ポイントを抑えた解説。氏も言われているように、東郷氏と佐藤氏の著作を読むことで、冷戦後の北方領土交渉をより立体的に捉えることができる。
29 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
歴史の分岐点,
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レビュー対象商品: 北方領土交渉秘録―失われた五度の機会 (単行本)
外務省ロシアスクールのキャリア官僚として、対ソ連・ロシア外交に一貫して関わり、北方領土返還交渉に尽力してきたにもかかわらず、鈴木宗男事件の余波で外務省から切り捨てられた外交官が、自らの外交官人生を振り返りつつ、北方領土交渉の真実を語るノンフィクション。
ゴルバチョフ大統領就任以来、北方領土の返還を可能とする5度の機会があった。にもかかわらず日本政府はこの機会を活かすことができなかった。筆者は自責の念を滲ませつつ、返還が頓挫した背景である日ソ(日露)双方の事情を鋭く指摘すると共に、日本外交の構造的な問題に言及する。 特に5度目の機会(2001年3月のイルクーツク会談)に関しては、国内基盤が強固なプーチン大統領が指導力を発揮したことで、ロシア側から画期的な譲歩案が提示され、北方領土返還の糸口がつかめただけに、筆者の無念が強く感じられる。その直後、4月に小泉内閣が成立し田中真紀子が外相に就任すると、次第に情勢は悪化し、ついに鈴木宗男事件へと発展。領土交渉は振り出しに戻ってしまった。暗礁に乗り上げたと言ってもいい。鈴木宗男事件はまさに時代の転換点だったのである。 著者東郷氏は、外交よりも国内の権力闘争を優先した小泉内閣を暗に批判している。これは正論ではあるが、佐藤優氏が「解説」で述懐しているように、東郷氏をはじめとするロシアスクールが国民に対して説明責任を十分に果たしていなかったのも、やはり問題と言えるだろう。 冷戦期の日本政府には、北方領土問題を本気で解決する気はなかった。領土問題を未解決のままにしてソ連との敵対関係を維持することが国益にかなっていた。だからこそ「四島一括返還」という実現不可能な強硬案を提示していたのである。しかし冷戦構造の解体に伴い、地政学的な観点からロシアとの平和友好条約の締結が必要になってくると、外務省ロシアスクールは「四島一括返還」という非現実的な要求はやめるべきと考えるようになり、政府の対ロシア政策も基本的にはこれに同調した。だが、この重大な外交政策の転換を、外務省は国民に明示しなかった。結果として、鈴木宗男・東郷和彦らが進めていた領土交渉は、「四島返還」を諦め「二島返還」で妥結する弱腰外交として指弾されることになったのである。 鈴木氏や東郷氏がもう少し国民に真意を語っていたら、歴史は変わっていたかもしれない。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
やがて来る歴史が真実を明らかにする,
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レビュー対象商品: 北方領土交渉秘録―失われた五度の機会 (単行本)
副題:失われた五度の機会
ゴルバチョフ、エリティン、プーチンの各大統領時代における対露関係の中での平和条約締結と北方領土返還交渉のまさに当事者として、また鈴木宗男氏、佐藤優氏の所謂国策調査逮捕事件のある意味共犯者とも名指しされた東郷氏の回顧録とでも言える書である。 当然ながら公務員としての守秘義務と外交機密と言う文脈の中で語れない部分も多いのであろうが、歴史的な動きは非常に生き生きと書かれているのだと感じる。 東郷氏の生い立ちはまさにサラブレッドと称されるほどの名家であり、外交官僚家系と言っても差し支えないである。それゆえか、文章自体は非常に大人しく、佐藤氏の様な過激さはないし、また特定個人への非難もない。逆にそのために、外交舞台での人間関係のドロドロさも、パワーポリティクスとしての生臭さが表れていないようにも思う。(佐藤氏自身は解説の中で、鳥瞰図的な記述だと言っています) いずれにしても小泉政権誕生後の進展無き北方領土問題やそれに付随するであろう対露外交の低迷の理由は何か?それは単にロシアスクールと言われる外務官僚とか外務省主流派と言われるアメリカスクール官僚との確執なのか。あるいはそれ以上に大きな何かなのか?東郷氏がソ連課長就任以降に北方領土問題で仕えた歴代の首相は中曽根、宮澤、橋本、小渕、森であるが、領土問題が動こうとしていた時代は橋本、小渕、森のようである。その内の橋本、小渕両氏は急逝されていて当時の首脳会談での秘密交渉などの内容は外交文書の公開を待つしかなく、回顧録等しての心象風景を知るすべもなくなっている。 四島一括返還と四島返還との大きな違いは無い事(若干の時差を生じる返還となるが)が多くの国民に理解されるように東郷氏は願っているのであると感じる。 東郷氏も、解説の項を書いている佐藤氏も東郷氏のオランダ大使辞職後の外国への渡航は「亡命」だと書いているが、もし日本に居たならば佐藤氏や鈴木氏同様に逮捕されたのだろうか? 歴史が今後明らかにしていくのであろう。 2007読了
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