ぼくは宗男ファンでもないし支持者でもないのだが。
この本を読んで彼の歴史知識、政治感覚の大きさに驚いた。
左でも右でも、政治家なら最低でも宗男レベルの知識、感覚を持つべきだろう、と痛感した。
本書を読むまで、北方領土交渉が、実は東アジア情勢や中央アジア情勢、ひいては日米関係とも連動しているとは思ってもみなかった。
鈴木宗男から歴代首相の対ロシア外交の内幕について生々しい証言を引き出すのは佐藤優。まさに適役である。
亡くなった橋本首相、小渕首相、の外交センスを知るにつけて、小泉政権5年の無策が際立って見える。外交がすっかり低水準のものに成り下がったのだ。
多くの関係者が写真入りできわめて具体的な形で登場する。読み物としても実におもしろい。
本書には当然反論もあるであろう。宗男証言を契機に、対ロシア、対アジア、そして対米も含めた高いレベルでの議論が盛り上がることを期待したい。