サスベンス、理不尽な謎に巻き込まれた主人公のとまどいと絶妙な危機解決、金髪美女とのロマンス、そして息抜きとなるユーモア(ケイリー・グラントのキャラクターが活きている)等、ヒッチコック映画の要素がてんこもりで、さらに追跡劇が加わったヒッチコック・ベスト5に入る作品。何度観ても面白いが、restoration技術のおかげで画像くっきり、色鮮やかになり、文字通り不朽のエディションが完成した。ただし、一箇所・短時間、フィルムの傷のような白い線が見えるが、修復しきれなかったのか、それとも私の商品だけの問題なのかは不明。それ以外の映像は完璧だ。特に主人公とイブのロマンス・シーンの艶っぽさに目を見張った。
特典映像も見応え十分。中でも、ヒッチコック監督自身とスコセッシ監督等多くの人が、本作とそれ以前に製作された作品(「間違えられた男」「ダイヤルMを廻せ!」「断崖」等)を素材にしつつ、視点、爆弾セオリー、対照、闇・小道具や音の使い方(無音の効果も含めて)等の観点からヒッチコック映画の特徴・魅力の秘密を語る「ヒッチコック・スタイル」と、本作の名場面・見どころを解説する「不朽のラブ・サスペンス」(どちらも2009年制作)は、映画術の教室と言ってよいぐらい。2000年制作の「メイキング」の一部も。ヒッチコック・ファンはもちろん、映画を志す人、映画を趣味とする人は必見だと思う。