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北人伝説 (ハヤカワ文庫NV)
 
 

北人伝説 (ハヤカワ文庫NV) [文庫]

マイクル クライトン , Michael Crichton , 乾 信一郎
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

It is 922 A.D. The refined Arab courtier Ibn Fadlan is accompanying a party of Viking warriors back to the north. Fadlan belatedly discovers that his job is to combat the terrors in the night that come to slaughter the Vikings--but just how he will do it, Fadlan has no idea....


From the Trade Paperback edition. --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

バグダッドの使節イブン・ファドランは、旅の途上で屈強の一団と遭遇した。彼らこそ勇猛で知られる北人―。バイキングであった。彼らの客となったイブン・ファドランは、北方のロスガール王国の救援に馳せ参じる北人の勇士十二人に同行することになる。王国は邪悪な死者常食族ウェンドルによって危機に瀕していた。かくして北人とウェンドルの激烈な闘いが幕を開ける。十世紀の北欧に展開する血湧き肉躍る伝奇ロマン。

登録情報

  • 文庫: 253ページ
  • 出版社: 早川書房 (1993/04)
  • ISBN-10: 4150406936
  • ISBN-13: 978-4150406936
  • 発売日: 1993/04
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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北人伝説 2005/9/5
形式:文庫
「アンドロメダ病原体」や「ジュラシックパーク」でおなじみのマイクル・クライトンの伝奇ロマン小説。
実在したアッバース朝の文官イブン・ファドランの手記「イブン・ファドランの旅行報告書」をもとに、北欧の海洋民族バイキング文化とのエンカウンターを描いた作品です。
追記を含めてせいぜい240ページ程度なのですが、これがすこぶるおもしろい。
10世紀という時代、中東を中心に北アフリカから中央アジアまで進出していたイスラム帝国は西半球をリードする一大文化発信地であり、当時のイスラムはすぐれて科学的な思考様式をもつ先進的な人々でした。その後3世紀にわたって断続的に派遣された十字軍による侵略を契機として、しだいに西洋史の文化的中心地の座から脱落していくのですが、本書で取り上げられている時代はアッバース朝の最盛期から1世紀ほどあととはいえ、まだまだイスラム世界が世界史的に重要な地位を占めていました。
たいして北欧は後進的なヨーロッパのなかでもさらにおくれた未開の蛮地とされており、バグダッドからブルガール王国へ送られた外交官イブン・ファドランがひょんなことから北欧バイキングの一部族に帯同させられ、彼らの領域をおびやかす謎の人食い族ヴェンデルとの死闘を体験することとなった顛末を語ったのが本書「北人伝説」というわけです。
虚実をたくみに交えたこの小説ではどこまでが史実にもとづき、どこからが作者の創作なのかをはっきりさせてはいないのですが、北欧の起伏に富んだ情景や独特の風習を当時のコスモポリタンたるイブン・ファドランの目を借りて織り成した記述は実に細やかかつドラマチックな描写に満ちており、読み手の意識は歴史語りの検証からいつしか著者の幻想的な筆運びに引き込まれていきます。
戦闘民族バイキングのきわめて即物的なものの考え方をはじめは奇異に感じながらも懸命に理解しようとし、また行動によって信頼を勝ち取っていくイブン・ファドランと、カリスマ的頭領ブリウィフに率いられた武骨なバイキング戦士たちの交流はとてもおもしろく、やがて彼らが強い友情で結び付けられていくようすは見事というほかなく、さすがにベストセラーを多数生み出したマイクル・クライトンだけあって、胸がわくわくする冒険小説に仕上げられています。まあ、バイキングが少しプリミティブに書かれすぎてはいるのですが。
バイキングや西洋中世史に興味がある人だけでなく、トールキンの「指輪物語」や漫画「ベルセルク」のような幻想奇譚がお好きな人にも一読をお薦めします。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hoge2 トップ1000レビュアー
形式:マスマーケット
ペーパーバック版で読みました。
昔のアラブ人の旅行記を現代の人が補足したという凝ったつくりのため、注釈がわずらわしい、導入部がややこしいといった若干読みにくいところがあります。
しかし、出だしを少し我慢すると、分量も手ごろで、本筋自体はシンプルな物語なので、読みやすいペーパーバックを捜している人にも薦められると思います。
このレビューは参考になりましたか?
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
西暦922年にアラブ人ヤクート・イブン・ファドランが古代北欧人について記した手記をベースにベストセラー作家マイケル・クライトンがイマジネーションを膨らませ、一級の伝奇ロマン冒険譚にしたもの。

物語は、イブン・ファドランの手記という体裁をとっており、まえがきには手記やヴァイキングについての学術的見解が述べられており、この作品のリアリティーを高めるのに一役買っている。

あらすじは、バグダットの使者ヤクート・イブン・ファドランが旅の途上、ヴァイキング達と遭遇し、危機に瀕した北の王国を救うという彼らの冒険に巻き込まれ、謎の敵”霧の怪物”と戦うといった感じ。

前半は、紀行文の様な感じで展開し、イブン・ファドランが訪れた土地や民族の生活習慣が克明に描写されている。
旅が進むにつれ、彼とヴァイキング達とのやり取りを通して、ヴァイキング達の習慣・風俗・哲学・行動原理・信仰等が鮮明に描写されていく。そこで描写されているヴァイキング達は、まぎれもなく過去のある時代を生きた人間たちで、資料を読んでいるだけでは味わうことのできない小説にしかなしえない醍醐味が感じられた。
専門家ではないので、どこまでがイブン・ファドランの筆によるものでどこからがマイケル・クライトンのイマジネーションによるものかは判らないが、ヴァイキングに関する現存の資料から生きた人間としてのヴァイキング達を緻密に真に迫った形で描き出す彼の能力には、脱帽するしかない。
言いすぎかもしれないが、ヴァイキングに関する入門書を読むならこの本を読んだ方が、彼らがどんな民族であったかをリアルに知ることができるんじゃないかとも思ったりもした。

後半は、王国を危機に陥れている謎の敵”霧の怪物”達とヴァイキング達の手に汗握る戦いがメインとなる。
この謎めいた敵の設定も人類学上の興味深いifの上に成り立っており、すごく面白かった。

この小説は、まさに大人の為の一級のエンターテイメントであると言えるでしょう。
また、西洋史やヴァイキングに興味のある方にもお勧めの一冊です。
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