陳情村といわれる中国政府に訴え続ける集団、解決率0.2%、陳情制度の混沌とした部分に自らの身を挺した迫真のルポルタージュです。
一見淡々とした口調で陳情村全体の情景からマイクを持って歩きながらルポする姿が垣間見え、陳情者にインタビューを行うといった切り口なのですが、中国の経済発展と栄華の極め付けを世界中に知らしめた2008年に開催された北京オリンピックの裏側、中国の暗部が広がる実態を忠実に伝えようとしたものです。
そのため内容はすごく重いものであり、ひと言で済まされるようなものではありません。
同情するといった感情に走るものではなく、陳情者たちは国の陳情制度に則り、地方行政で虐げられた苦情を上申しているのです。ただ、解決の糸口は到底見えず、それでいて後戻りもできない人びとなのです。