小田空という著者の本職であるコミックは一度も読んだことがない。しかし漫画家ってのはここまで観察眼がすごいのかと思うほど、この一冊は中国を見事に描き出している。私が実際の留学の際に、参考になった図書でもあるのだ。
しかし、漫画家すべてがここまでの著作を書けるものでもないだろうことは容易に想像できる。おそらくそこは小田空独特の洞察力、ギャグセンスそして優しさ、温かみに寄与すること大なのであろうことは察することができる。
値段に見合わない実に充実した内容で、彼女の中国体験がショートショートの形式でいろいろ盛り込まれている。以前彼女が留学体験を赤裸々につづったものもあったのだが、それとはまたまったく異なる形で記されているのが本書である。駅の構内、バスの中、使えない中国グッズの数々・・・描かれた小田の額に冷や汗を見るにつけ、その都度中国未経験者は小田にエールを送り、経験者は大きく頷くのである。
冷や汗を流すにつけ、なぜか好きになってしまう中国・・・小田はそのギャップ萌えを一番体現しているのかもしれない。