凄まじいほどのキャスティング、壮大な設定、丁寧に撮ったなあといえる美しい映像。これだけなら傑作といえるのだろうけど、正直それをとったら吉永小百合ファンのためだけの映画。史実として観るには無理があり、フィクションとして観るにはストーリー出来過ぎ。前半は何とか観れたけど、”5年後”で始まる後半の展開ですべてぶち壊し。壮大に描こうとして、人物の細かい心理描写が希薄、場面の移り変わりなど、どうしてこうなったの?というそこに至るプロセスも良く描ききれてなかった。渡辺謙が稲の研究に札幌に出かけ、そこで病になり、助けた女性と結婚、子供も作って・・・と、どっかで聞いたなあと思ったら、ソフィアローレン主演の名画「ひまわり」そのまんま。挙句に政府のお役人として開拓仲間たちと敵対するという、まあ良くここまでといいたくなるような韓流ドラマも真っ青の設定。特にいただけないのはラスト約15分。馬の接収に来た謙ちゃん率いる役人部隊があっさりと諦め引き上げたその後、目の前の畑?を皆で耕し始める。無理に感動させようとして却って笑えるシーンになってしまった。役人に刀で一人立ち向かう豊川悦司のスローシーンだけが唯一、よかった。
最も気になったのは石田ゆり子さん。元亭主の柳葉から鞍替えした香川照之をあっさり捨てたのか、最後は柳葉の隣でちゃっかり農作業。香川はどうなったの?息子は?あの場合、とことん香川に付いて行くべきでしょうよ。香川が哀れに思えた。それとこれはやっぱり言っとくべき。吉永小百合熟しすぎ。吉永小百合以外の若手女優(他の人も書いてたけど松島菜々子とか)を起用していたらまた違った映画になってたかも知れないくらい年齢に無理があった。ボロクソ書いちゃったけど、この映画の失敗はこれに尽きるのかもしれない。