究極のテクニックと自画自賛しているわりには見るべき物はない。単なるパズルを解く方法として割り切って読めば、息抜きにはなるかな。受験のためのテクニックならば、他に覚えなければならないものはたくさんあるはず。著者が開発した(?)という数少ないテクニックが適用できるような頻出ではない問題を集めても、時間の少ない受験生には応用がきかないだろう。
テクニック部分よりも心配なのは、著者の解説やまとめの部分だ。一読すれば、著者が化学についてはド素人である点が随所で露呈される。一例を挙げれば、著者には電気陰性度と電子陰性度の区別がついていないようだ(電子陰性度は受験では使わない)。アボガドロ数とアボガドロ定数の使い分けも出来ていない。まずは、著者が化学について真摯に取り組む姿勢が欲しい。15年ぶりに出版するのなら、せめて専門家の監修を受けるくらいの手間が欲しかった。この本の内容の、どこが正しくて、どこが間違いかを受験生は気にしなければならず、その意味では読むに耐えない悪書である。