私は化学再入門中の中年男(文学部卒)です。
この本は一見、化学の計算問題の解き方風な作りになっていますが、問題演習と詳しい解説をじっくり読むことによって、化学についての本質的かつ、直観的な理解が得られる優れた参考書です。
序に、石川先生が書いておられるように、化学の計算問題が解けないのは、「化学現象についての諸関係がイメージ豊かに、かつスキッと理解されていないためであることが圧倒的に多い」とのことです。
このため本書では、問題文の与件を整理、図示し、問題の構造を明らかにする(何と何が分かっていて、それはどんな関係であり、こうした条件下で、何を求めるのか、答えはどんな単位で表現しなければならないのか)ことに重点が置かれています。
この点においても、単に公式を暗記させて問題を解かせるだけの類書とは、一線を画す内容です。最初はちょっと、とっつきにくいかもしれませんが、石川先生の実際の講義のような、自然な語り口に導かれて、読み進むうちにアタマの中がすっきり整理出来てきて、化学の計算問題に強くなること受け合いです。
どうせ受験のためだけだからといって、単に化学の計算問題の解き方を覚えるというスタンスでは、結局未知の問題や、高度な応用問題は解けません。本書を繰り返し読み、問題の本質を構造的に理解することが、真の実力を付ける意味で重要だと感じました。このことをはっきり意図して編集された化学の参考書はほとんどありません。理解なくして暗記なしだと思います。
高校生だけでなく、化学を含む資格試験合格を目指す、社会人の方にもおすすめします。