徳川家斉に仕える料理番 鮎川惣介の物語もついに第5弾。
今回は、大奥の正月がメインテーマでした。
徳川将軍のお正月というと、何段にも積まれた豪華なおせちやら、めでたい舞やら踊りやらで楽しそう…と思いきや、諸大名やら幕臣からひっきりなしの「ご挨拶」で休む暇もない…
そんな正月に次々と起こる怪事件を、鮎川は大奥を警護する御広敷の片桐のコンビが探っていきます。
帯に女優の浅野 温子さんが「ゆるゆるしたいとき、日本酒と一緒に読みたい本」と書いてますが、まさにそんな感じでお正月のめでたい雰囲気がなんとなく物語全体を包んでいます。
相変わらず登場人物が時代劇というより、本当にリアルで、事件記事かノンフィクションルポのよう。大奥はよく「愛憎うずまく」といった風に描写されますが、それとはちょっと違う・・・なんでしょう「血の通った、人間臭い」大奥。
今回登場する若い侍達は、みんな仕官の道を探ってもがきくるしんでいて、仕官の道がかなっても成功を焦るあまり失敗してしまったり…どこか、フリーターとして使い捨てられたり、即戦力として使いつぶされる現代の若者達のやう。読みながら、ちょっと自分にも思い当たる節があって、恥ずかしくなりました(*^_^*)
でも、物語はとくだん暗かったりはせず。本当にゆるゆると読むことができます。