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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
宝箱のような対談内容,
By sachiko (大阪府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 勝負師と冒険家―常識にとらわれない「問題解決」のヒント (単行本(ソフトカバー))
この本は、有名な将棋棋士である羽生善治氏と、かつてヨットによる単独無寄港世界一周を成し遂げた、日本を代表する海洋冒険家・白石康次郎氏との対談を収録したものである。タイトルにある通り、将棋という頭脳派のスペシャリストと海洋レースという肉体(行動)派のスペシャリストという、パッと見た感じでは全く 『極と極』 にある人物同士の対談に思える。しかし、本書を深く読み解いていくと、結局勝負に対する本質のところでは、両者は非常に共通している部分が多い事が分かる。『勘とか見切る力というのは、真剣勝負の中でしか維持できない』 『どうしようかと迷うくらいなら、やらないほうがいい。やるときはもう、やっちゃってるはずなんだから』 など、一流の勝負師同士で勝つためのセオリーが惜しげもなく披露されているところが、本書の魅力でもある。しかし私としては、それ以上に素晴らしい点として別のポイントを挙げたい。最終章において、白石氏がこう語っている部分だ。 『…すべてやり尽くして、満足して、明るく晴れやかな、そういう心境になってみたいなぁ。羽生さんは将棋の世界で、僕は海の世界でね。大切なのは、自分でやってきたことを人生訓にまで高めなければならない。じゃなかったら、自分勝手で終わってしまう。羽生さんは将棋強かったね、で終わっちゃうし、僕はヨットで世界一週したね、で終わってしまう。(中略)…四十歳を越えて初めて、天命というか、自分のやるべきことっていうのが見えてきた気がします。自分の生まれてきた意味は、ヨットで誰よりも速く走ることでもないし、有名になることでもない。きっと、みんなを明るく元気にすることなんだ。振り返ってみると小さい頃から今まで、僕のやってきたことって、全部それなんだよ』 この言葉は、人間はなぜ生きているか、という本質的な問いに対するひとつの答えであろう。人は他者を幸せにするために生きることができる。それが巡り巡って、結局は自身の幸せにつながるのだ。 二人は最後に、それぞれ今の子どもたちに贈りたい言葉を紹介している。 白石氏は 『素直に真っ直ぐ。』 羽生氏は 『自分を裏切らない。』 特に後者の羽生氏の言葉は、印象深い。現代の子どもたちは、周りの空気を読んで、周りの期待に必要以上に応えようとしてしまう。そのために自分を裏切っているというケースが多い。一生懸命そうしているのだが、でも本当に自分のやりたいことは何か・自分が望んでいることは何かという肝心な部分がしっかり持てていない。つまり、自分のホンネを覆い隠して他者に合わそうとすることは、『自分を裏切っている』 のと同じだ、ということだ。 若い世代には、自分を好きになってほしい。自信をもってほしい。自信がないのは、それを支える実体験がないから。でも、痛い思いや辛い思いはイヤだ、と思うかもしれない。そうは言っても、この世界から苦しみをなくすことは絶対にできない。 でも、『苦しみでなくす』 ことはできるのだ。
5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
名言が一杯詰まった対談集,
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レビュー対象商品: 勝負師と冒険家―常識にとらわれない「問題解決」のヒント (単行本(ソフトカバー))
本書には、ノートに書き留めたくなるような名言が、実にさりげなく語られている。私が特に感じ入ったのは、 「裏切らないってすごい大事なことだと思ってるんですね。周囲にいる人たちを裏切らないとか、あるいは自分自身を裏切らないとかっていう、そういう日常みたいなものが、いつ来るかわからない運とかをつかむためにすごく大事なことなんじゃないかな。・・・普通に毎日変わらずに平常心でずっと続けてられるかということと、すごく密接に関係しているような気がしますね。だって、そういう感覚を閉ざしてしまえば、どんなチャンスが来ても、どんな幸運が来ても、気づかずに通り過ぎてしまうものなので。」(102ページ) という、羽生さんの発言である。 武道でよく言われる「無心無構え」にも通じる、実に含蓄のある言葉だ。 白石さんは、上の羽生さんの言葉を受けて、「羽生さんは中庸なんだと思う。」と応じた。 なるほど、「中庸」とは、こういうことだったのかと、深く納得した次第である。 副題は、「『問題解決』のヒント」であるが、「問題解決」に限らず、広く読まれて良い本だと思う。
1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
いつもの羽生さんと違う,
By hanpenkirai (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 勝負師と冒険家―常識にとらわれない「問題解決」のヒント (単行本(ソフトカバー))
白石康次郎さんは、かなり破天荒です。冒険は緻密な計画、実践の上に達成できるのでしょうが、 その人柄は、本当に生身でぶつかっていく人のように思います。 羽生さんには、他の対談者が聞かないことまで、 あまり意図せず、踏み込んだり、ぶつけたりしています。 羽生さんの違う一面が見られるかも。
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