「8対2の原則」は生きている。セールスマン全体のわずか20%が売り上げの80%を稼ぎ出しているという原則である。また,キャリパー社の調査によれば人々の4人に1人はセールスで成功する素質を備えているが,その素質を生かしている人はほんのわずかで,素質のない4人に3人の方が間違ってセールスマンになっているという。「本当にセールスに向いている人を見つける。それがジョブマッチングだ」。昔ながらの「適材適所」と変わりはない。
キャリパー社はジョブマッチングの手法についてはさまざまな工夫を凝らしている。まず学歴や出身環境を重視する従来の手法は排除する。経験の有無でさえ重視はしないという。顧客に感情移入できるエンパシー,成功にまい進するエゴドライブ,人を喜ばせたいサービスマインド,顧客の拒絶にめげないエゴストレングスなどが重視されるが,究極のところはセールスが本当に本人のやりたい得意な仕事であるかどうかという相性の発見だ。人材の源泉は外で探すより意外に内部,秘書課や経理などにいるものだという。心理テストや面接も大切だが,問題は面接する側にその能力があるかどうかである。
セールスのセオリーは古今東西共通だが,著者は時代が求めるセールスマン像の変化に注目している。金融も自動車もハイテク革命で商品内容が大きく変わった。これからはコンサルティング・セールスの時代。著者はセールスマンが企業の運命を左右するとしている。 (評論家 和田 正光)
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