「勝っているときこそ選手を代える」「教えないことこそ指導」など、逆説的な言葉にこそ勝者の真理はある。逆に敗者が口にする言葉とは、「時期尚早」「前例がない」「あいつはおれが育てた」……。著者は言う。こうした思考の違いは、Jリーグ理念に基づくサッカー日本代表の成長と、それと対照的なプロ野球の人気衰退にも関係している、と。
本書では、野茂、イチロー、長谷川滋利やトルシエ、森?晶、三原脩など一流の選手・指導者と日本シリーズON対決などの名勝負の分析を通して、強い組織と強い個人の作り方を提示する。
著者はNHK「サンデースポーツ」他で、人気上昇中のスポーツジャーナリスト。本書はその著者初の書き下ろしである。
スポーツの名将・名選手に学ぶ「勝つ!」思考。
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敗者の思考法として、時期尚早、前例がない、というセリフ、挑戦心の無い精神、と述べている。これは日本の会社の中でも良く見られる傾向であろう。Jリーグ発足を議題に掲げた日本サッカー教会理事会の席上での川端三郎氏は席をたって「今、時期尚早と言う人は100年立っても時期尚早と言うだろう」と言い放っている。その後の日本サッカーの躍進を、バレーボールのVリーグ、プロ野球と比較すると、このことは明白だと思う。
勝者の思考法として、ソウルオリンピック競泳の鈴木大地の例、大リーグの野茂、長谷川(適者生存)の例を挙げている。鈴木大地の例は当時あまりにも有名になった(21回のバサロを27回に、爪を伸ばして骨折を覚悟してゴールのタッチセンサーに指を突き立てた)と思うが、それを例に、勝負師とギャんブラーの違いを以下のように述べている。ギャンブラーは運を天に任せるが、勝負師は最後まで自分で運を仕切ろうとする。まさに、前髪しか無いと言われる勝利の女神の髪を何が何でもつかみ取る執念が感じられる。
また、野茂の例では、追い込むとフォークを投げる野茂が、完全試合が掛かった最後の打者に対し、ビアザのフォークのサインに首を降ってフォークを投げた、という勝負師としての野茂が紹介されている。
この本はスポーツにおける勝者について、個人、監督コーチ、組織と色々な観点から解説している。しかし読み終えてみると、社会において、結果を出す人と出さない人の違いについても類似性があるのでは無いかと思った。
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