日本人なら誰でも知っている幕末の偉人、勝海舟の家族にアメリカ人の嫁がいたとは、ちょっとした驚き。
来日当時14歳の宣教師の娘が書き綴った日記ということで、乙に澄ました独善的な内容だったら嫌だなぁ、と心配していましたが、杞憂でした。
江戸の名残を残しつつ急速に西洋文明に洗われていく東京の街とその風俗が、賢く逞しい少女の感性で活き活きと語られています。
年齢に似合わない鋭い人間描写あり、女の子らしいエコ贔屓(美男美女に評価が甘い)、ささやかな夢想もあり。料理や服装、季節ごとの支度など日常生活の細々とした様子も興味深い。
それにしても、この本の中で描き出される明治の人々(市井の名もなき人から近代日本史上のビッグネームまで)の美しさ、真っ当さには目を見張ります。
最先端の文明を享受しながら、わずか130年で私たちは何を失ったのかという寂寥を感じずにはいられません。